足元では、各国の通商政策や地政学的な緊張、資源価格・金融資本市場の変動などを背景に、事業環境の不確実性は引き続き高い状況にあります。一方で、国内経済は雇用・所得環境の改善や各種政策を背景に、緩やかな回復基調を維持しています。企業には、コスト構造や需要動向の変化を見据えながら、スピード感ある意思決定と着実な実行力がこれまで以上に求められています。
エネルギー分野では、第7次エネルギー基本計画およびGX2040ビジョンのもと、安定供給・経済成長・脱炭素の同時実現に向けた取り組みが一段と具体化しています。DX・GXの進展やAI活用の広がりに伴う電力需要の変化、再生可能エネルギー導入拡大に伴う需給変動への対応など、電力システムには従来以上の柔軟性と実装力が求められています。
とりわけ、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、需給調整や出力制御への対応の重要性は増しています。こうした環境下で、デマンドレスポンス(DR)は、需要家側の柔軟性を社会全体の調整力として活用し、安定供給、効率化、脱炭素を同時に支える重要な手段です。当社は、「必要なときに確実に応える」運用品質を軸に、実効性と拡張性を備えたDRの提供を追求してまいります。
また、制度・ルール・市場設計が高度化するなか、容量市場、JEPX、需給調整市場をまたいで価値を最適化する力が、これまで以上に重要になっています。2026年度は、計測・検証(M&V)やベースラインに関する運用の精緻化、サイバーセキュリティを含むシステム信頼性の向上、データ基盤の高度化、人材育成、現場オペレーションの磨き込みを通じ、変化に強い事業基盤をさらに強化します。
本年度は、①容量市場(発動指令電源)における取り組みの着実な遂行と高度化、②JEPX(卸電力取引)および需給調整市場を含む複数市場において、お客さまにとって最適な成果を実現すること、③運用品質・リスク管理・データ/システム基盤を継続的に強化すること、の3点を中心に取り組みます。
あわせて、市場ルールの厳格な遵守、公正性と透明性を重視した事業運営を徹底しながら、需要家の皆さまがより参加しやすく、成果を実感しやすい仕組みづくりを進めてまいります。参加条件や実績に関する情報共有の充実、対話の強化、緊急時対応体制の継続的な改善を通じて、安心して参加いただける環境を整えてまいります。
当社は、小さく始め、早く学び、着実に改善する姿勢を大切にしています。変化の大きい時代においても、現場の知見とデータに基づく改善を両輪に、DRの社会実装を通じて電力システムの柔軟性とレジリエンスの向上に貢献してまいります。
今後とも、当社の取り組みにご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
エネルエックス・ジャパン株式会社