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Demand Response

Business Solutions

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電力の使い方を考える

ビジネスを活性化し、電力供給を安定させ、新たな収益を生み出す方法

Daniele Andreoli、 2024年1月9日

電力供給を安定させるために、電力使用量を調整し、その見返りに報酬を得る。これはどういうことで、どうやって実現するのでしょうか?鍵となるのは「フレキシビリティ(柔軟性)」です。電力供給を安定させ、電力を生成し、バランスを保つ:不安定な状況を利用することで出来るようになることです。さらに進んで言えば、不安定な状況を管理する能力を向上させることで全てが可能になります.。

 

私が何について話していると思いますか?

 

もちろん、電力について話をしています。電力業界の方には既知の概念ですが、日常生活で電気を使うだけの皆さまにはあまり知られていないことについて話をしたいと思います。驚いていただきたいのは、電力供給のバランスを保つことで、驚きの新しい収益源を生み出す可能性があるということです。

 

皆さんに知っていただきたいことは、エネルギーの使い方を柔軟に変える、需要に応じてエネルギーを調整する、そして需要と供給のバランスを取るという考え方です。これらは、電力供給の安定性を保つために、今まで以上に重要となっています。そして、これらは多様な電力消費ニーズに対する最適な解決策となります。これらの探求は、電力を創り出すだけでなく、電気を使ったり、蓄電したり、系統に返したりすることができる人々を含む、電力システムの全ての関係者を巻き込んでいます。 そして、それによって報酬を得ることができるということです。

電力網への大規模投資を回避できるデマンドレスポンスの役割

ゼロエミッションを達成するためのシナリオでは、「最終エネルギー消費」が電力に移行し、再生可能エネルギーの発電所が増えることで、電力の需要が増えていくと考えられています。この需要は電力網に「負荷」をかけ、当然ながら送電および配電インフラに影響を与えます。したがって、電力網自体とそれらを強化し、より強く、よりスマートにするための措置は、クリーンなエネルギーへの転換にとってますます重要になっています。

 

2050年の気候とエネルギーの持続可能性に関するアジェンダの目標を達成するためには、2030年までに世界中の電力使用量を前の10年間に比べて20%増加させる必要があります。これは、我々が現在目にしているパラダイムシフトにおける電力網の役割についての2023年10月IEA報告書Electricity Grids and Secure Energy Transitions」によるものです。

Demand Response and the Energy Transformation

デマンドレスポンスとは?

このシナリオでは、送電網の拡大と多様化は、脱炭素化を支援し、電力供給を保証し、再生可能エネルギーのリソースを効果的に統合するための鍵となります。2040年までに、世界中の国々は合計で8000万キロメートル以上の送電網を追加または更新する必要があります。

 

需要に応じて電力を調整する(デマンドレスポンス)を活用することで、このような大規模投資を回避することが出来る場合もあります。世界で最も電力を多く使う都市といわれている、ニューヨークで行われた事例をご紹介します。ビッグアップルの「Reforming the Energy Vision(REV)」計画の一環として行われた取り組みの中に、「Brooklyn-Queens Demand Management (BQDM)」と呼ばれるエネルギー効率向上負荷削減プログラムがありました。予想される過負荷に対応するために12億ドルもの改修が必要と言われていたブラウンズビル変電所の過負荷を、回避することが出来ました。分散型エネルギーリソース(DER)を送電網に統合し、それら全てをエネルエックスのDER最適化ソフトウェア需要側管理プログラムで支えることにより、太陽光エネルギー、燃料電池、建物の電力使用量、蓄電池を組み合わせて変電所の負荷管理を最適化することで実現しました。

電力需要の調整方法

送電網は常に、発電する側から消費する側への一方通行の流れと、需要と供給という古典的な市場の論理(需要が増えれば供給を増やさなければならない)に基づいてきました。

 

しかし現在、私たちは「供給に合わせて調整・適応可能な需要をつくる」という論理に基づいた、より持続可能で循環的な考え方に向かって移行しています。この考え方では、消費者(個人、行政、とりわけ企業)が主役となります。デジタル化がすすむことにより、企業は送電網の要求に応じて電力需要を調整し、例えば送電網が過負荷になった場合にはその需要を削減し、報酬と引き換えに自社のリソースから余剰電力を市場に供出することができるようになりました。

 

これは、エネルエックスが世界的に展開しているデマンドレスポンス・プログラムの基となっているシンプルで有用なメカニズムであり、B2B向けサービスの柱となっています。

サステナビリティを基盤とした成長戦略

デマンドレスポンス(DR)は、電力需要の増加に対応し、電力網の安定性を向上させ、再生可能エネルギーの影響を管理するための有用なツールであるだけでありません。サステナビリティを味方につけて収益を上げたい企業や、新たな電力容量を導入するための費用を節約できる系統運用者にとっても、有用なソリューションです。エネルエックスは、この業界での深い知識と経験を活かし、企業の皆さまがお持ちの目標を達成できるようなアドバイスを提供し、最良の解決策を見つけるサポートをしています。「Flex」は、エネルエックスが作成したクラウドプラットフォームで、お客さまに様々なサービスを提供し、消費を最適化し、効率を最大化し、より簡単に柔軟性を高めることができるツールです。

 

DRは、様々な種類のビジネスに適しています。唯一の要件は、企業が調整できること、つまり、特定の時間に電力消費を減らすことができることです。連続稼動させる必要がない機械を使用している企業なら、どんな企業でも参加できます。 Flexを使うことで、まず第一に業務の継続性を担保し、最適なデマンドレスポンスのプログラムへの参加を保証しながら、企業が余剰電力と引き換えに報酬を受け取ることを可能にします。

冷蔵・冷凍倉庫に隠された電力資源

アメリカの大手冷蔵・冷凍物流企業であるUnited States Cold Storage社は、エネルエックスの支援を受け、DRプログラムを初期段階から積極的に取り入れています。15年前、主要事業で大量の電力を使用していた同社は、デマンドレスポンスのもたらすメリットを認識し、エネルエックスと提携を結び、短期間で米国本土の20か所以上の物流拠点に導入しました。

 

DRプログラムへの参加により、同社は稼働率の低い時間帯に節電することができ、冷蔵・冷凍設備の運用にリスクがなく、2022年までに約400万ドルの報酬を得ることができました。

倉庫の中の作業員

United States Cold Storage

需要に柔軟に対応することは、業務用冷蔵・冷凍倉庫という巨大産業にとって理想的なソリューションのように思われます。2023年7月、エネルエックス・オーストラリアはオーストラリア再生可能エネルギー庁(ARENA)から冷蔵・冷凍倉庫業界での電力需要の変動に対応する戦略や手段を支援するため、370万オーストラリアドルの資金を受けました。

 

冷蔵・冷凍倉庫には、膨大な電力の宝が隠されており、それを利用することができます。オーストラリアだけでも、500MWを超える潜在的な電力を市場に供出できると推定されています。エネルエックス・オーストラリアは、「Unlocking Flexible Demand in the Commercial Refrigeration Sector(業務用冷蔵・冷凍倉庫部門における フレキシビリティ資産の開拓)」というプログラムを通じて、再生可能エネルギーへの転換を支援するために、440の冷蔵・冷凍施設を対象に、電力需要を柔軟に調整できるフレキシビリティ資産を活用しています。

 

電力の使用量を微調整するだけでも、大規模に集約すれば大きな影響を及ぼすことができます。需要家の皆さまにとっては明らかな変化がなく、製品の品質に影響を及ぼすことなく、脱炭素を達成し、近代化に必要な高額な投資をすることなく、利用可能なエネルギーから収益を得ることができます。デマンドレスポンスは、ゼロエミッションという目標を達成するための、強力なツールです。

 

二重の意味で持続可能なビジネスのために。

著者紹介

Daniele Andreoli: Head of Flexibility Solutions、Enel X

daniela

Danieleは、20年以上の経験を持つエネルギー業界のシニアエキスパートです。エネルでエネルギー取引ビジネス、エネルギー管理、小売ポートフォリオ管理、再生可能エネルギーなど、さまざまな分野と責任レベルで働いてきました。また、顧客向けの新しいソリューションとサービスを開発することを目指したeSolutionsプロジェクトに参加し、最適化と柔軟性のソリューションをグローバルのプロダクトラインとして担当しました。

 

現在は、エネルエックスのイタリア本社に在籍。デマンドレスポンス Global Business Lineを担当し、世界18カ国に広がる9.5 GW以上のフレキシビリティ資産に係るビジネスを管理しています。

 

エンジニアであり、ドイツの大学でMBAを取得しています。